最後の歩道橋

昼間、妻と買い物に出た際、車の中での会話である。
「ねえ、成蹊通りに架かっている歩道橋あるじゃない、あれ今通れなくなってるの、知ってる?」
「あぁ、あの歩道橋・・・へぇ、そおなんだ」
「なんかね、だいぶ老朽化が進んだんで危険だから通行禁止にしているらしいよ」
「そうだよな、あの歩道橋、俺が子供の頃からあるもんな。もう40年くらいは経つんじゃないの?」
「なんか、下を通る車から、何かが上から落ちてきたって市に連絡があって、それで調べてみたら
人が歩くのが危険なくらい老朽化してたんだって」
「それ相等きてるよね」
「・・・市内に残る最後の歩道橋なのにね」
「あれ最後の歩道橋なんだ・・・そう言えば最近歩道橋見ないもんな。 で、どうなるの、あの歩道橋」
「どうなるんだろうね。 たぶん、取り壊しだろうね」
「・・・・・」

市内最後の歩道橋

妻には話していないが、実はこの歩道橋、私には思い出のある歩道橋なのだ。
私が中学生の頃だから、もうかれこれ30年以上昔の話しである。
この歩道橋を自転車を担いで上がっていた時に(なんでそんなことをしたのかは訊かないで欲しい)
当時の同級生で私が密かに恋心を寄せていた子と歩道橋の上で話しをしたことがあるのだ。
どんな会話を交わしたかまでは記憶に定かでないが、たぶん、
なんで自転車担いで歩道橋上がってんの?
道路に横断歩道が無いからさ・・・みたいな、他愛のない会話だったように思う。
それがきっかけで、その子と付き合うことになったのだが。

妻と会話をしながら、自分の意識が30年前のあの日にタイムスリップしていく。
リアルに、その当時の光景がイメージに浮かんでくる。
その子の屈託のない笑顔が、クリアに見えてくる。

「俺さ、実はあの歩道橋に思い出があるんだよね」
「え? なになに? どんな思い出?」
「中学の時にさ・・・・」

あの瞬間、確かに意識は過去に戻っていたように思える。
あの頃は良かったよなぁ、的な 「今」 の自分の目線で記憶を手繰るのとはちょっと違う、
まさにその場に戻ってしまったような、何とも言えない感覚だった。
「思い出す」 と言うより 「追体験する」 といった感覚に近い。
事の真偽は定かではないが、
あの瞬間、私は30年前の彼女に歩道橋の上で(非物質的に)会っていたのかも知れない。
自転車を担いで・・・

この記事へのコメント

- sola - 2009年10月18日 12:36:25

こんにちは!jazzさんm(__)m
素敵なエピソードをありがとうございます^^
読みながら、少女漫画のコマにして脳裏に思い描いてしまいました…「自転車を担いで歩道橋へ…」素敵なシーンです!プラス東京の方の会話は絵になります!何故か私も疑似体験してしまったようで、恋しい時の嬉し涙を思い出し ウルウルしてしまいました(T^T)
あー私にもそんな事があったなぁたまには胸キュンの時代に想いを馳せるのも ハートにいいですね^^

solaさんへ - jazz - 2009年10月18日 16:54:21

solaさん、コメントありがとうございます。
お恥ずかしい、昔の思い出でした。
ただ最近よく思うのですが、過去の記憶を思い出した時に、今回みたいにかなりクリアーに
過去のその瞬間に意識がジャンプすることがあるんです。
これは、昔のことを思い出す、という感覚とちょっと違っていて、変性意識状態で過去を
見ているような感覚に近いんです(もちろんC1で、ですが)
この時も、ふとそんな状態になったので、記事にしてみました。
なんか、あの頃の彼女に会えたような感覚が、ちょっとだけありました。。。

何だか、いいです。 - MID - 2009年10月18日 23:10:13

jazzさん、こんばんは。

30年前の恋愛を思い出せば追体験に…。

僕も同じ気持ちになります。

かと思えば、jazzさんの実年齢が僕に近い事も判明しました。

しかも『成蹊通り』を車のナビに入力すれば、一般道利用で、僕の自宅から36分で行ける事も判明しました。

因みに僕は隣の県ですけどね。

そうそう、jazzさんが以前コメントされていた『非物質界の存在を広める活動』の件ですが、僕は家も近いだろうし、お手伝い位は、やらせて貰えたらなぁ、と思います。

何かあれば、声を掛けて欲しいと思います。

宜しくです。

MIDさんへ - jazz - 2009年10月18日 23:47:59

MIDさん、コメントありがとうございます。
お住まいも年齢もお近くのようで、おまけに心強いお申し出までいただき、感謝しております。
具体的な行動に移す暁には、是非ご協力いただきたいと思います。
まだもう少し時間がかかるかも知れないですが。。。
ヘミシンクを通して、こうして知り合ったのも、きっと何かのご縁だと思います。
MIDさんに限らないことですが、こういう出会いやご縁を大切に日々精進していきたいと思います。

- JUNO - 2009年10月20日 12:00:36

こんにちは、jazzさん。
どこの街でも歩道橋は無くなりつつありますね。。。
思い出のものが無くなるのは寂しいのですが、その分、得たものもあるわけで。。。^_^;
昔、好きだった人も、惹かれるべくして存在していたのでしょう。
過去の記憶も今のつながりも、すべてが今在る自分ですから、その思い出も「今」なのかもしれませんね。

junoさんへ - jazz - 2009年10月20日 23:33:08

junoさん、コメントありがとうございます。
歩道橋そのものはそこにあり続けても、自分の記憶の中の歩道橋は「今」の歩道橋とは
ある意味違うものなんでしょうね。
そう考えると、物理的に存在するかどうかは大した意味はなくて、自分の記憶の中の存
在が、自分にとっては(実は)最もリアルなものなのかも。
自分自身の記憶、体験は全て「今」の連続ですから、「今」を大事に過ごすことがとても
大事なことなんだな、と感じます。

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soul station について

物質界と非物質界を行ったり来たり。 自らのヘミシンク体験記録。

ヘミシンクのことを初めて知ったとき、「ホントかよっ!」 と半信半疑だった。 同時に 「ホントだったら凄いな!」 と心の何処かで興奮した。 これは自分で確かめるしかない。 ということで、自らのヘミシンク体験を記録し始めた。

プロフィール

jazz

Author:jazz
プラス思考でもマイナス思考でもなく、ニュートラルが一番と思って生きてきたが、ヘミシンクを通して、やっぱりプラス思考の方が理に叶っていると思い始めている。 趣味はヘミシンク、音楽はジャズ、飲み物はコーヒー、そして機械式腕時計の好きな中年オヤジである。

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